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詩について/アンドルー・マーヴェルから

(著者)加藤光也  

解説

「いかにも、解釈を一つ誤れば身の破滅なのだ。彼らの会話に耳を澄ますなら、詩人がその裏に何を読みとっているのかもわかる」。マーヴェル、ポープ、ジェフリー・ヒル、ロチェスター、テッド・ヒューズ、シルヴィア・プラス、ヒーニー、イェイツ、萩原朔太郎、与謝野晶子……詩人との対話がここにある。

目次

まえがき
1 不安の意匠──露の滴によせて
2 テクストとテクスト──『髪の毛盗み』へのノート
3 詩人と庭園──ポープの場合
4 魂の交誦──ジェフリー・ヒルとバロックの手法
5 不遜なミューズ──ロチェスターのために
6 アルビヨンという名のトロッコ──『マーシア讃歌』を読む
7 二つの原風景──プラスとヒューズの場合
8 『氷島』へのマージナリア
9 ヒーニーの変化について
10 歴史の中のイェイツ──「一九一六年の復活祭」と「内戦の時の省察」
11 晶子、藤村、キューピッド──『みだれ髪』管見

メディアほか関連情報

■ 「図書新聞」2017年8月5日に掲載されました

加藤が脱領域的な研究活動を続けてきたことは、周知の事実であるが、ラテンアメリカ小説をいち早く日本に紹介した篠田の薫陶を受け、現代イギリスにおける魔術的リアリズムの名手として一世を風靡したアンジェラ・カーターの『夜ごとのサーカス』などをいち早く訳出していたところから、その学問的情熱の中心は、現代小説批評にあると評者は見ていたが、その浅薄な思い込みは、彼の学問人生の集大成として公刊された本書によって見事に裏切られた。文学研究者としての加藤の軸足は、詩のテクストを精読することにあり、最初から今に至るまで一瞬たりともぶれることはなかったのである。(圓月勝博 同志社大学・近代英米詩)

著者紹介
  • 加藤光也

    1948年、秋田県生まれ。一橋大学法学部卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。2018年、駒澤大学文学部定年退職。専門は英国およびアイルランドの詩。著書に『詩について──アンドルー・マーヴェルから』(松柏社)、翻訳にウラジーミル・ナボコフ『ロシアに届かなかった手紙』(集英社)、『ベンドシニスター』(みすず書房)、イアン・マッキューアン『ベッドのなかで』(共訳、集英社)、ジュリアン・バーンズ『太陽をみつめて』(白水社) 、アンジェラ・カーター『夜ごとのサーカス』(国書刊行会)など。

関連書籍
  • ライオンとハムレット/W・B・イェイツ演劇作品の研究

  • 英文学の内なる外部/ポストコロニアリズムと文化の混淆

  • 収容所ノート/ミツエ・ヤマダ作品集

  • T・S・エリオット 文学批評選集/形而上詩人達からドライデンまで

  • マーヴェル書簡集

  • 「リハーサル」散文版/アンドルー・マーヴェル散文作品 I

  • ロマン派の空間

  • 高山宏 椀飯振舞(I)エクスタシー

  • モダンの近似値/スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド

  • 詩人と新しい哲学/ジョン・ダンを考える

  • しみじみ読むイギリス・アイルランド文学/現代文学短編作品集

  • 青い薔薇/キプリングとインド

  • 詩的言語のアスペクツ/ロマン派を超えて

  • アントニー・スウェイト対訳詩選集