青い薔薇/キプリングとインド
(著者)橋本槇矩
判型 | 四六判上製 |
ページ | 340ページ |
価格 | 3,800円(税別) |
ISBN | 978-4-7754-0181-1 |
Cコード | |
略号 | |
発売日 | 2012年6月10日 |
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- 解説
インドで幼いラドヤードの血を吸ったハマダラ蚊の子孫に刺され、キプリングの人格が転移された現代の英文学教授が150前のインドとイギリスを生きることに──二つの国を生きる作家の苦悩と作品誕生の由縁を、恋愛、友情、両親、妹との関係を軸に壮大なスケールで描いた小説を第I部、ポストコロニアル批評の前提を問う重厚な作品論を第II部に配す。
「法と秩序の帝国」と「支配と抑圧の帝国主義」の矛盾を生きたキプリングがインド庶民に向けた共感の深層を掘り起こす。著者が思わず書き下ろしてしまった580枚が、外国文学研究・批評界に新風を吹き込む。
- 目次
第I部 青い薔薇──天竺への道【小説】
■ボンベイ染色体
■インドの真夏の夜の夢
第II部 キプリングを巡るインドの旅【作品論】
■虎とイギリス人の物語──擬態としての支配者:ホミ・バーバの擬態論を補遺する
■インドの軽井沢 シムラ──英領インドの夏の政庁
■ヒンドゥー恐怖──「モロウビー・ジュークスの不思議な旅」について
■男と女の物語──死と隣り合わせのインドの恋
■ボンベイとキプリング父子──ラスキン・モリス・ロックウッド
■インドの西部劇──東と西のホモソーシャルな出会い
■創られたインド──「東と西のバラッド」再考
主要参考・引用書目/索引- メディアほか関連情報
■ 「出版ニュース」2012年9月上旬号
評伝ではなく、伝記資料と文学テクストをもとにしながら想像力を駆使したフィクション・批評という斬新な試み。
■ 「週刊読書人」2012年7月27日に掲載されました
(中略)これは、「惹き付けると同時に撥ねつける硬質の鋼のような」キプリング文学と「十五年以上」つきあい、多数の論文や多数の翻訳をおこない日本キプリング協会会長でもある著者が、たぶん、最後に登りつめた境地をしめすものであろう。(荒木正純 白百合女子大学)
■ 「web英語青年」2012年7月号に掲載されました
(前略)ここは本当にキプリングが著者に乗り移っている。あるいは、その反対か。小説なので、最後にぴたりと腑に落ちるという点だけを指摘し、結末は控える。(栂正行 中京大学)
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