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アメリカン・クライシス/危機の時代の物語のかたち

(著者)ハーン小路恭子  

解説

分断のシステムに抗い続ける物語はどんな〈かたち〉をしている?

人種、ジェンダー、階級などのアイデンティティの諸相が交差する中で生まれ、醸成されてきた〈アメリカ的危機〉の感覚がフィクションや視覚文化の中でいかに具現化されているのかを明らかにしていく──。

目次

序 章 危機の時代の物語のかたち

第1章 ビヨンセ『レモネード』における暴力、嵐、南部  

ハリケーン、南部、ビヨンセ  

黒人女性の身体と暴力  

「ホールド・アップ」〜「ダディ・レッスンズ」──水と暴力の両義的表象  

「ラブ・ドラウト」と歴史化  

隊列を組むこと、かたちを創造すること──「フォーメーション」

第2章 レベル・ガールの系譜──南部的反逆する娘像と連帯のナラティヴ

反逆する娘のモチーフ  

『結婚式のメンバー』と触発の瞬間  

リリアン・スミスと南部的身体  

『さあ、見張りを立てよ』と親密さの喪失

第3章 『ヒックとドラゴン』における障害、動物、成長物語

障害と動物が交わるところ  

『ヒックとドラゴン』における障害の主題  

語りの補綴  

男性性を「クリップ」すること

第4章 「エコロジーをダーティにせよ」──ジェズミン・ウォードと新時代の南部環境文学

母の否定性  

ヴードゥーとエンパワメント  

犬とひとが出会うとき

第5章 「セイ・マイ・ネーム」──ふたつの『キャンディマン』とインターセクショナリティ

『キャンディマン』──人種の歴史と女性の語り

『キャンディマン』とインターセクショナリティ

「X」としての黒人女性

恐怖を奪回すること──『キャンディマン2021』

第6章 湿地のエージェンシー、ぬかるみのフィクション──ディーリア・オーウェンズ『ザリガニの鳴くところ』と人新世の物語

湿地のエージェンシー  

人種、階級と自然  

「殺し」を自然に接合すること  

人間的なるもののぬかるみ  

 

あとがき

引用・参考文献

索引

 

掲載情報
著者紹介
  • ハーン小路恭子

    1975年生まれ。専修大学国際コミュニケーション学部准教授。専門分野は20世紀以降のアメリカ文学・文化で、小説やポップカルチャーにおける危機意識と情動のはたらきに関心を持つ。訳書にレベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』(以上、左右社)、レベッカ・ソルニット『オーウェルの薔薇』(共訳、岩波書店)。

関連書籍
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