象徴の騎士たち/スペンサー『妖精の女王』を読む
(著者)早乙女 忠
判型 | 四六判上製 |
ページ | 242ページ |
価格 | 2,800円(税別) |
ISBN | 978-4-88198-961-6 |
Cコード | |
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発売日 | 2001年6月1日 |
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- 解説
「真に生成する物語であり、ここで文学の全体が活力のある姿となって再生する」との指摘もある物語『妖精の女王』を、豊かな象徴性と近代的な自意識、それらを七つのテーマ(ミルトン、時間、自然、想像力、自我、言語、オウィディウス)にそってさぐる。
- 目次
一 ミルトン
二 時間
三 自然
四 自我
五 言語
六 オウィディウス
あとがき- メディアほか関連情報
■『中央評論』(中央大学)2001年秋季号に書評が掲載されました
この二人(スペンサーとダン)の詩人を論じたのが二冊の本書──本学で長く教鞭をとられた早乙女忠教授が十年余にわたる論考をまとめられた新刊二点である。(中略)『妖精の女王』は、12の私徳を表わす騎士たちを、次いで12の公徳を表わす王たちを物語る作品として構想された。「楽しませ、かつ教える」という西洋の古典的文学論が背後にある。しかし『象徴の騎士たち』の著者は、作品の内実が当初の公式的な構想と一致するとは限らないと見抜く。スペンサーの内なる詩人が道徳家にまさるというか、実際の作品では詩想があふれ出てくる。徳の称揚どころか、人間の弱さへの共感さえにじみ出ている、と著者は見る。「弱さこそ人間の証し」という命題を著者が引き出しているのは印象的だ。──青木和夫(中央大学文学部教授・英文学)
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