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【品切れ中】緑の文学批評/エコクリティシズム

(著者)H・フロム  L・ビュエル  P・G・アレン   (訳)伊藤詔子  横田由理  吉田美津  結城正美  城戸光世  水野敦子  辻 和彦   ほか

解説

エコクリティシズムの歴史的思想史的出自とキーコンセプトを紹介し、ポストモダニズムやフェミニズム等従来の批評制度との関連をふまえつつネイチャーライティングの土地の「記憶」と物語の新しいレトリックを分析した本邦初の文献。

目次

序章 緑の文学批評──エコクリティシズムとは何か 伊藤詔子
第1章 超越から退化へ──伝統的自然観の終焉 ハロルド・フロム/吉田美津訳
第2章 自然と沈黙──思想史の中のエコクリティシズム クリストファー・マニス/城戸光世訳
第3章 ディープ・エコロジーとポスト構造主義の出会い──意味から生命のネットワークへ スーエレン・キャンベル/水野敦子訳
第4章 アメリカの庭の創造──アメリカ研究の見直しとグローバルな価値の創造 フレデリック・ターナー/吉田美津訳
第5章 アメリカン・パストラルの思想──イデオロギーとしてのパストラル レオ・マークス/結城正美訳
第6章 聖なるフープ──エコフェミニズムと新しい物語の可能性 ポーラ・G・アレン/横田由理訳
第7章 ピクチャレスク美学と国立公園制度──風景美学という批評制度 アリソン・バイアリー/辻 和彦訳
第8章 言語の果肉──感覚的なるものの魔術 デイヴィッド・エイブラム/結城正美訳
第9章 「沈黙の春」から「地球温暖化」にいたる終末論的語り──エコロジーの言説とレトリック M・J・キリングスワース&J・S・パーマー/伊藤詔子訳
第10章 エコロジー的アポカリプス──シルコーとカーソンの神話の回復と予言の文学 ローレンス・ビュエル/横田由理訳
研究書誌
翻訳者紹介
人名・書名・事項索引

メディアほか関連情報

■ 「環境緑化新聞」2006年5月1日号に掲載されました。

~文学は人間とその環境を素材とするから、文学こそ環境と関係をもつものとして考慮されなければならない。エコクリティシズムが環境文学を論じるだけでなく、文学研究に生態学の網の目的世界観を導入、豊かな文化批評の広がりを持とうと呼びかけている。~同書評より

著者紹介
  • H・フロム

    1933年、ニューヨーク市生まれ。ニューヨーク市立大学学士、コロンビア大学芸術学修士、ウィスコンシン大学哲学博士。1994年〜1998年、イリノイ州シカゴの英国大学客員教授。 1999年からアリゾナ大学客員研究員。

  • L・ビュエル

    1939年生まれ。ハーヴァード大学Powell M. Cabot名誉教授。アメリカ文学者でエコクリティシズム研究のパイオニアと言われる。

  • P・G・アレン
  • 伊藤詔子

    広島大学名誉教授。専門はアメリカ文学・文化、環境文学、エコクリティシズム。著書に『ディズマル・スワンプのアメリカン・ルネサンス──ポーとダークキャノン』(音羽書房鶴見書店)、『はじめてのソロー──森に息づくメッセージ』(NHK出版)、『よみがえるソロー』(柏書房)、『アルンハイムへの道』(桐原書店、1987)、『トランスパシフィック・エコクリティシズム──物語る海、響き合う言葉』(共編著、彩流社)、訳書にポール・ルイス著/ケン・ラマグ絵『ゾンビで学ぶA to Z──来るべき終末を生き抜くために』(小鳥遊書房)など。

  • 横田由理

    1949年生まれ。元広島国際学院大学教授。著書に『オルタナティヴ・ヴォイスを聴く──エスニシティとジェンダーで読む現代英語環境文学103選』(共同編集、音羽書房鶴見書店)、『エコトピアと環境正義の文学──日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』(共編著、晃洋書房)、『新しい風景のアメリカ』(共編著、南雲堂)。共訳書にローレンス・ビュエル『環境批評の未来──環境危機と文学的想像力』(音羽書房鶴見書店)。

  • 吉田美津

    1951年生まれ。松山大学名誉教授。同志社大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。ペンシルベニア大学大学院英文学専攻修士課程修了。専門はアメリカ文学。著書に『「場所」のアジア系アメリカ文学──太平洋を往還する想像力』(晃洋書房)、『エコトピアと環境正義の文学──日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』(共編著、晃洋書房)など。

  • 結城正美

    1969年、石川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科教授。専門はエコクリティシズム、アメリカ文学。金沢大学教育学部小学校教員養成課程卒業、同大学院教育学研究科英語教育修士課程修了、広島大学大学院社会科学研究科国際社会論博士課程満期退学。ネバダ大学リノ校英文学研究科文学・環境専攻博士後期課程(フルブライト大学院留学プログラム)修了、Towards a Literary Theory of Acoustic Ecology : Soundscapes in Contemporary Environmental Literature で Ph.D.。著書に『文学は地球を想像する──エコクリティシズムの挑戦』(岩波新書)、『他火のほうへ──食と文学のインターフェイス 』『水の音の記憶──エコクリティシズムの試み』(以上、(水声社)、『里山という物語──環境人文学の対話』(共編、勉誠出版)、訳書にデイヴィッド・エイブラム『感応の呪文──〈人間以上の世界〉における知覚と言語』(論創社)など。

  • 城戸光世

    広島大学大学院人間社会科学研究科教授。専門は19世紀アメリカ文学、旅行文学。著書に『繋がりの詩学──近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の形成』(共編著、彩流社)、『越境する女─―19世紀アメリカ女性作家たちの挑戦』(共編、開文社出版)、訳書にメーガン・マーシャル『ピーボディ姉妹』(共訳、南雲堂)。

  • 水野敦子

    山陽女子短期大学 人間生活学科 教授。専門分野はアメリカ文学、アメリカ文化、チカーノ文学、環境文学。著書に『オルタナティヴ・ヴォイスを聴く──エスニシティとジェンダーで読む現代英語文学の名作73選』(共編著、音羽書房鶴見書店)、『カウンター・ナラティヴから語るアメリカ文学』(共著、音羽書房鶴見書店)、『エコクリティシズムの波を越えて──人新世の地球を生きる』(共著、音羽書房鶴見書店)。

  • 辻 和彦

    近畿大学 文芸学部 教授。専門は19世紀アメリカ文学・文化。著書に Rebuilding Maria Clemm: A Life of "Mother" of Edgar Allan Poe(Manhattanville Press)。 

関連書籍
  • 野生の果実/ソロー・ニュー・ミレニアム

  • 交感と表象/ネイチャーライティングとは何か

  • アメリカ文化の構図/アメリカがわかる

  • デザート・クァルテット/風景のエロティシズム

  • アメリカの嘆き/米文学史の中のピューリタニズム

  • フォークナー 第3号/特集「フォークナーとゴシック」