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(著者)高橋和久  

解説

訳者によるオーウェル『一九八四年』論、絵解きによる18世紀英文学史、フォースター再評価、20世紀末読書案内……18世紀から現代に至る幅広い小説批評、そして社会批評を存分に味わえる贅沢な一冊。学問、大学と政治の問題も深刻極まる中、過去に遡り現在を見直す。

目次

Ⅰ 侵食する外部

見えない国スコットランド 

人頭税のことなど──傍観者の皮相な観察  

2015年の『1984』  

素朴な小説読者の『一九八四年』──「訳者あとがき」にかえて 

 

Ⅱ 孤立を恐れずに連帯を求めうるか─文学部をめぐって

文学部の教育──問題と課題 

文学部を宣伝してみると──手前味噌風味 

 

Ⅲ 二分法では割り切れないもの

『ケプラーの憂鬱』──ジョン・バンヴィル小論 

『この世界を逃れて』──グレアム・スウィフトをめぐって 

『果てしなき旅』──フォースター的ダブル・ヴィジョンの位相  

『女たちのやさしさ』──表象の不安  

『ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど』──ほんとうは十以上  

『めぐりあう時間たち』──「ふつうの日」の「ふつうの心」  

『哀れなるものたち』──作家アラスター・グレイのこと 

『シークレット・エージェント』──アナキーなアイロニー 

英文学史(An English Literary History)の練習──「一八世紀の散文」の章のための助走 

 

Ⅳ 世紀末の読書案内

このへだたりを埋めるもの──ヴァージニア・ウルフの『燈台へ』の三種の訳文に描出話法を学ぶ 

伝統派と前衛派の睨み合い──イギリス 

在英日本人作家の新作小説──イギリス 

「桂冠詩人」の栄光の脇に──イギリス 

『オリエンタリズム』 

ヴァージニア・ウルフ──女のエクリチュール 

「海外進出」が文学に与えた成果 

『悪魔の詩』の内と外 

残り時間のためのレッスン──カズオ・イシグロ『日の名残り』 

別の地図 

ネオコロニアリズム、キプリング、サイード──複数の読み・読みかえの位相 

弱者への眼差し──アラスター・グレイ『プアー・シングズ』 

良い人間と良い芸術家──ジェイムズ・ケルマンの評論集 

イギリス文学の現在──その一断面 

世界大戦、共産主義独裁、革命、バスケットボール・チーム──ティボール・フィッシャー『蛙の下』 

「牧神」に取り憑かれるだけの勇気のない人間は──フォースター雑感 

外出を自粛して読むディストピア──E. M. Forster, ‘The Machine Stops’ 

 

あとがき

索引 

掲載情報
著者紹介
  • 高橋和久

    1950年生まれ。東京大学名誉教授。京都大学卒業、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。著書に『エトリックの羊飼い、或いは、羊飼いのレトリック』(研究社)、『ラドヤード・キプリング──作品と批評』(松柏社、共編著)。翻訳にジョージ・オーウェル『一九八四年[新訳版]』(ハヤカワepi文庫)、ジョゼフ・コンラッド『シークレット・エージェント』(光文社古典新訳文庫)など。

関連書籍
  • ラドヤード・キプリング/作品と批評

  • フォークナー 第2号/特集「フォークナーと同時代人たち」

  • ニューレフトと呼ばれたモダニストたち/英語圏モダニズムの政治と文学

  • 一九世紀「英国」小説の展開

  • 二〇世紀「英国」小説の展開

  • 百年の記憶と未来への松明(トーチ)/二十一世紀英語圏文学・文化と第一次世界大戦の記憶