判型 | 四六判 |
ページ | 205ページ |
価格 | 1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-7754-0226-9 |
Cコード | |
略号 | |
発売日 | 2016年5月25日 |
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- 解説
法然(浄土宗)・親鸞(浄土真宗)・一遍(時宗)と阿弥陀仏を信仰する浄土教、中でも一遍は生涯を通して遊行の人となり、煩悩の海を溺れるように生きている人々を救うために全国を渡り歩いた。絶えず念仏を称え、歩き、あるいは踊ることで生涯を終えた彼は、この忍土でなにを見たのだろう。その足跡を二人の大学教員が辿り、時宗の真髄に迫る。
踊り念仏の目的は何か?紙切れでしかない念仏札。それを配る一遍の、死に至るまで続けられた厳しい一所不住の半生。この二者の間にこそ私たちの社会が見失ってしまったものを取り戻す鍵がある。一遍が還俗後に、再び阿弥陀仏に導かれた理由は何だったのか。踊り念仏の布教効果は即座に表れた。大井太郎という武士の屋敷で三日三晩踊り明かし、数百人が加わって屋敷の縁側を踏み抜いた後の光景が『聖絵』に描かれている。踊り念仏の熱狂は想像を遙かに超えていた。上人の足跡を辿りながら、真の姿に迫る共作。
- 目次
まえがき
宝厳寺
太宰府天満宮
筑豊清水寺
肥前清水寺
善光寺
窪寺
岩屋寺
四天王寺
高野山
熊野本宮
鹿児島神宮
備前福岡の市
因幡堂
小田切の里
下野小野寺
関の明神
陸奥江刺
瑞巌寺
巨福呂坂
光照寺
江の島
三嶋大社
甚目寺
関寺
市屋道場
桂
穴太寺
中山神社
太子廟磯長叡福寺
当麻寺
石清水八幡宮
教信寺
書写山
松原八幡神社
広峯神社
吉備津神社
厳島神社
大山祇神社
善通寺
淡路 大和大国魂神社
淡路 志筑神社
真光寺
結語- メディアほか関連情報
■ 「出版ニュース」2016年8月上旬号に掲載されました
一遍が権威にも動かされることなく行動したことや、下層民はこうした神より他に受け止めるものがなかったのではないか、と思いを巡らせる。
■ 時事通信社 2016年7月13日(水)に掲載されました
ところが、この「たかが念仏」に命を賭けてしまった人こそ一遍だ。(中略)現代なら、街中でビラを配って集団でダンスをするようなもの。その浄土への心願を共有するのは困難としても、天変地異や価値観の崩壊に見舞われた中世人の感性は、現代人に意外なほど似ていると思われてくる。
- 著者紹介
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