映画・文学・アメリカン
(著者)志村正雄
判型 | A5判並製 |
ページ | 281ページ |
価格 | 2,400円(税別) |
ISBN | 978-4-7754-0214-6 |
Cコード | 3098 |
略号 | |
発売日 | 2015年5月20日 |
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- 解説
映画と原作小説とその翻訳、原作者、映画監督、出演俳優への時に辛口な意見や評価を、その多岐にわたる知識と豊かな文学観、歴史観をもって語り尽くす。アメリカという国のみならず、この国特有の小説のありさまも見えてくる。鶴見大学で1997年より年一回開催されている「英米文学講座──映画で観る文学作品」(アメリカ文学編)の志村正雄による講演を再現します。追加の書き下ろし原稿もふんだんに収録しています。
- 目次
『真紅の文字』
『ある貴婦人の肖像』
『女相続人』
『ティファニーで朝食を』
『ジェニイの肖像』
『オズの魔法使』
『金色の嘘』
『怒りの葡萄』
『アラバマ物語』
『白鯨』
『アッシャー家の末裔』、『世にも怪奇な物語』の「影を殺した男」「悪魔の首飾り」
『ダ・ヴィンチ・コード』
『ブレードランナー』
『若草物語』
『見知らぬ乗客』
『華麗なる週末』『墓場への侵入者』- メディアほか関連情報
■ 「週刊新潮」2015年9月10日号に掲載されました
(中略)一方、日本未公開『墓場への侵入者』(クラレンス・ブラウン監督)をフォークナー原作映画の最高峰とし、ライブ解説四十数ページで再現される。本書のハイライト。この映画がノーベル文学賞受賞の直接のきっかけになったのではと著者は推論する。(ちくさ正文館書店 古田一晴)
■ 「日刊ゲンダイ」2015年7月30日号に掲載されました
「ダ・ヴィンチ・コード」。イエス・キリストの弟子、マグダラのマリアをめぐる暗号を宗教記号学の教授が解くというストーリーである。彼女はずっと娼婦であるといわれていたが、1969年に教皇がそれを否定した。これにはフェミニズムの時代を経て、女性がそれなりに権力を持っていたことが受け入れられるようになったという背景がある。映画のテロップには「フィクション」とあるが、原作には「事実に基づいている」とされている。鶴見大学の映画会で上映された18作を解説した講座の単行本化。
■ 「産経新聞」 2015年7月26日号に掲載されました
白眉はリドリー・スコット監督によるSF映画『ブレードランナー』の回。ヨーロッパ文学のような「人間そのもの」でなく、人間が置かれた「状況」に関心を寄せる米文学の伝統に触れ、純文学とSFが融合していく様を鮮やかに解き明かす。語り口は平明。映画を入り口に一国の文学や社会、歴史が見えてくる。
■ 「週間読書人」 2015年7月24日号に掲載されました
アメリカ文学研究の巨匠志村正雄は名著『神秘主義とアメリカ文学』で知られるが、しかし並々ならぬ映画への造詣の深さを披瀝した本書の味わいは格別だ。映画製作や評価史もさることながら、既成の邦訳や学界にも随所で鋭い切り込みが入る講義録は、読みどころ満載。(巽孝之 慶應義塾大学教授・アメリカ文学専攻)
- 著者紹介
- 関連書籍