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アメリカ文学のアリーナ/ロマンス・大衆・文学史

(編)平石貴樹   (編)後藤和彦   (編)諏訪部浩一  

アメリカ文学のアリーナ/ロマンス・大衆・文学史
判型 四六判上製
ページ 391ページ
価格 4,000円(税別)
ISBN 978-4-7754-0189-7
Cコード
略号
発売日 2013年4月15日

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解説

12人の気鋭のアメリカ文学研究者による、ホーソーン、メルヴィル、オールコット、トウェイン、ジェイムズ、ウォートン、ドライサー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、フォークナー、モリソン、オブライエン論から、アメリカ文学の面白さの秘密と、アメリカ作家が「大衆」とどう向き合ってきたのか、そして向き合っていくのかが見えてくる一冊。

目次

序文●平石貴樹
第1章 預言者のペルソナ、母の息子──『緋文字』におけるホーソーンの死と再生●中野学而
第2章 一八七六年のロマンス──国民国家の誕生と『クラレル』●貞廣真紀
第3章 ルイザ・メイ・オールコットと大衆小説●田辺千景
第4章 禊ぎとしての大衆小説──『王子と乞食』から『ハックルベリー・フィンの冒険』へ●後藤和彦
第5章 ヘンリー・ジェイムズ『メージーの知ったこと』──大衆小説的手段としての早熟なこども●高尾直知
第6章 イーディス・ウォートン『歓楽の家』における社会風刺と感傷性●新井景子
第7章 愛人の発明──『シスター・キャリー』と女性のセクシュアリティ●舌津智之
第8章 ビジネス・ロマンスは可能か──F・スコット・フィッツジェラルド文学の大衆性の意味●上西哲雄
第9章 フレデリック・ヘンリーの形而上学──ヘミングウェイの大衆性と芸術性●新納卓也
第10章 フォークナーと南部農本主義の距離──「分かりやすさ」を欠く「大衆小説」という逆説●中谷 崇
第11章 トニ・モリソンと「物語」の力──『青い目がほしい』を中心に●諏訪部浩一
第12章 アメリカン・ロマンスからポストモダン・ロマンスへ──ティム・オブライエンの『かれらが運んだもの』●三浦玲一
あとがき●後藤和彦

メディアほか関連情報

■ 週間読書人2013年9月13日に掲載されました

本書の特色は、すでに繰り返し論じられてきた作家やそのテクストに定着した意味を、それぞれの論者の力業によって変えていくところにある。どの一篇をとっても、テクストの欠落を新たに見つけ出し、独自の視点から様々な事象と関連付けて説明し、入念に引用箇所を選んで、幾重にも重なり合うコンテクストを丹念に解きほぐしながら、既知のテクストを再文脈化し、異化していく。(長岡真吾 島根大学教授)

著者紹介
  • 平石貴樹

    1948年、函館生まれ。作家、東京大学名誉教授。1983年、「虹のカマクーラ」で第七回すばる文学賞受賞。小説に『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の雨』『松谷警部と三ノ輪の鏡』(東京創元社)、『潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く』『立待岬の鴎が見ていた』『葛登志岬の雁よ、雁たちよ』(光文社)、『サロメの夢は血の夢』(光文社文庫)、『スノーバウンド@札幌連続殺人』(光文社文庫)、文学研究関連の著書に『アメリカ文学史』『小説における作者のふるまい──フォークナー的方法の研究』(松柏社)、『メランコリック デザイン──フォークナー初期作品の構想』(南雲堂)、翻訳にオーエン・ウィスター『ヴァージニアン』(松柏社)、ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(共訳、岩波文庫)など。

  • 後藤和彦

    1961年、福岡市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。アメリカ文学専攻。著書に『迷走の果てのトム・ソーヤー──小説家マーク・トウェインの軌跡』『敗北と文学──アメリカ南部と近代日本』(松柏社)。

  • 諏訪部浩一

    1970年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授。専門はアメリカ文学。上智大学卒業。東京大学大学院修士課程、ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院博士課程修了(Ph.D.)。著書に『ウィリアム・フォークナーの詩学── 一九三〇 ‐ 一九三六』(松柏社、第14回清水博賞受賞)、『『マルタの鷹』講義』(研究社、第66回日本推理作家協会賞受賞)、『ノワール文学講義──A Study in Black』(研究社)、『アメリカ小説をさがして』(松柏社)、『カート・ヴォネガット──トラウマの詩学 』〈アメリカ文学との邂逅〉(三修社)、翻訳にウィリアム・フォークナー『八月の光』上下巻(岩波文庫)など。

関連書籍
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