松柏社

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CALL授業の展開 その可能性を拡げるために

(編著)竹内理   (著者)吉田弘子   (著者)魚崎典子   (著者)住 政二郎   (著者)池田真生子  

解説

その普及率は年々高まっているCALL(Computer Assisted Language Learning)──だが、コンテンツの絶対数の不足、指針となる理論的基盤の未確立から、この外国語学習システムをいかに有効利用するかという実践的方法論が確立されていない。これから求められるCALLでの外国語教育のあり方とその可能性を、理論的基盤から組織の意思決定の問題、実践方法論やコンテンツまで、総合的に網羅して解説した本書は、大学、中・高等学校での教育担当者にとっても必携の一冊。これまでに蓄積された実践事例、データを整理し、CALL授業の様々な授業形態を紹介し、CALL授業で使える具体的な課題テーマを、外国語能力レベル別に分類して教えてくれる。2009年度外国語教育メディア学会学術賞受賞。

目次

はじめに
第1部 基礎理論編
第1章 CALL その効果を引きだすために
1.1 はじめに
1.2 CALLとは
1.3 Media do not influence learning.
1.4 CALL側が備えておくべき特徴
1.5 管理者の要因
1.6 教員の要因
1.7 授業組み立ての要因
1.8 学習者の要因
1.9 おわりに
注/推薦図書/参考文献
コラム(1) クラス編成の影響は?
 

第2部 授業実践編
第2章 基礎からのCALL授業
2.1 はじめに
2.2 CALL授業を担当する前に
2.2.1 CALL教室の特性をつかむ
2.2.2 学習者のコンピュータ知識を把握する
2.2.3 CALL教室の機器操作をおさえる
2.3 CALL授業の留意点
2.3.1 教材選択
2.3.2 CALL教室でのテスト・評価
コラム(2) 著作権に注意!
2.3.3 教材ソフトの利用
2.3.4 教材ソフトの自主開発
2.4 CALL授業の円滑な運営のために
2.4.1 CALL教室のトラブル対処法
2.4.2 教員間の連携
コラム(3) CALL教室内のよくあるトラブル
2.4.3 CALL授業の注意点
2.4.4 CALL教室のさらなる活用のために
注/推薦図書/参考文献

第3章 CALL機能の具体的活用法
3.1 はじめに
3.2 基本から応用へ
3.3 CALL機能を利用したアクティビティ
3.3.1 みんなでプロセス・リスニングに挑戦!
3.3.2 音読を楽しもう!
3.3.3 Excelでスケジュール・チェック!
3.3.4 Wordでレターを書こう!
3.3.5 ヘッドライン・ニュースを読もう!
3.3.6 英語であてよう!
3.3.7 プロジェクト学習で世界遺産を学ぼう!
注/推薦図書
コラム(4) ウェッブサイトの読みやすさを調べる

第4章 インターネットのさらなる活用法
4.1 はじめに
4.2 インターネットの活用法
4.2.1 ウェッブサイトの活用
4.2.2 インターネット・フォンの活用
4.2.3 モバイル機器の活用
4.2.4 e-mail、BBS、フォーラムなどの活用
4.3 インターネットを活用したアクティビティ
4.3.1 ブログでリレー・ライティング!
4.3.2 好きなアーティストの楽曲で英語を学ぼう!
4.3.3 The Biography Channelでヒーロー/ヒロインを読もう!
4.3.4 ネットで聞き取り&発音練習をしよう!
4.3.5 オーディオ・ポートフォリオで音読練習をしよう!
4.3.6 最新時事用語を検索サイトでさがそう!
4.3.7 インターネット・フォンでインタビュしよう!
4.3.8 モバイル機器を使ってオリエンテーリング!
推薦図書/参考文献
コラム(5) バックアップは入念に!ーネットを利用したファイル保管方法

 

第3部 活用発展編
第5章 CALL発展の方向性を探る e-learningとLMSの視点から
5.1 e-learningとLMSー教育の情報化とその課題
5.1.1 LMSとは
5.1.2 OCWとOSSの動き
5.1.3 MoodleとCEAS
5.1.4 教育の情報化をとり巻く変化と課題
5.2 中学校におけるLMS利用の実践事例ー教室からインターネットへ
5.2.1 美加の台中学校
5.2.2 プロジェクトの概要
5.2.3 授業風景
5.2.4 授業分析
5.2.5 教員の役割とLMSの役割
5.3 大学におけるLMS利用の実践事例(1)ーコンテンツからコンテキストへ
5.3.1 授業実践
5.3.2 分析結果ー量的アプローチを中心に
5.3.3 分析結果ー質的アプローチを中心に
5.3.4 まとめ
コラム(6) Podcastingの利用法
5.4 大学におけるLMS利用の実践事例(2)ー他律から自律へ
5.4.1 アポイントメント制による英語語彙学習
5.4.2 分析結果
5.4.3 アポイントメント制による英語語彙学習
5.4.4 分析結果
5.4.5 まとめ
5.5 今後の方向性

注/推薦図書/参考文献
コラム(7) パソコンを使って単語力をアップしよう!
用語集
日本語索引
英語索引
編集者/著者紹介

メディアほか関連情報

■ 『英語年鑑2010年度版』に掲載されました

竹内理/魚崎典子/住政二郎/池田真生子/吉田弘子共著「CALL授業の展開ーその可能性を拡げるために」(松柏社2008.09)は、CALL授業の理論的基盤から組織の意思決定の問題,実践方法論やコンテンツまで解説している。(米山朝二 前大東文化大学教授)

著者紹介
  • 竹内理

    1962年、兵庫県西宮市生まれ。関西大学外国語学部教授。神戸市外国語大学卒業、神戸市外国語大学大学院外国語学研究科 (英語学)修了。モントレー大学大学院(Monterey Institute of International Studies) 修了(英語教育学)。 専門は応用言語学、外国語教育学。著書に『より良い外国語学習法を求めて──外国語学習成功者の研究』(松柏社)、『「達人」の英語学習法──データが語る効果的な外国語習得法とは』(草思社)、共編著書に『外国語教育研究ハンドブック──研究手法のより良い理解のために』(松柏社)など多数。訳書にマイケル・エラード『バベルをこえて──多言語習得の達人をめぐる旅』(松柏社)、テランス・ディックス『とびきり陽気なヨーロッパ史』(尾崎寔監修、ちくま文庫)、ゾルタン・ドルニェイ『外国語教育学のための質問紙調査入門──作成・実施・データ処理』(共訳、松柏社)など。

  • 吉田弘子

    大阪経済大学 経済学部 教授。テンプル大学 Doctor's Program 英語教育(TESOL)博士課程修了(教育学博士)。専門分野は外国語教育(TESOL、第二言語習得、言語テスト、評価、音声学、多読)。

  • 魚崎典子

    大阪大学 国際教育交流センター 特任准教授。専門分野は外国語教育学、教育工学。

  • 住 政二郎

    関西学院大学 理工学部 准教授。研究分野は外国語教育学、教育工学。

  • 池田真生子

    関西大学外国語学部教授。M.A. in English Language Studies and Methods(英国ウォーリック大学)、関西大学博士課程修了(外国語教育学)。専門分野は応用言語学。 2008年、外国語教育メディア学会新人奨励賞受賞。著書に EFL Reading Strategies: Empirical Studies and an Instructional Model(松柏社)、『CALL授業の展開──その可能性を拡げるために』(分担執筆、松柏社)など。

    教員が語る専門領域の魅力:https://www.kansai-u.ac.jp/fl/specialist/specialty32.html

関連書籍
  • より良い外国語学習法を求めて/外国語学習成功者の研究

  • 外国語教育学のための質問紙調査入門

  • 認知的アプローチによる外国語教育

  • 新しい世代の英語教育/第3世代のCALLと「総合的な学習の時間」

  • EFL Reading Strategies

  • 外国語教育研究ハンドブック【増補版】/研究手法のより良い理解のために

  • スペシャリストによる英語教育の理論と応用

  • バベルをこえて/多言語習得の達人をめぐる旅