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ハイブリッド・ロマンス/アメリカ文学にみる捕囚と混淆の伝統

(著者)大串尚代  

解説

アメリカン・ロマンスが「現実」と「虚構」が混淆したジャンルであることを確認し、再考することは、人種・階級・性差が混淆してゆく今だからこそ意義がある。アメリカン・ロマンスの水脈が今もなお、アメリカ文学の本質として息づいていることを確認する。

目次

序 アメリカン・ロマンスの大陸
1 女が犯す 捕囚体験記伝統と『ホボモク』のハイブリディティ
2 祖母の物語 ボストンの三人の魔女
3 美男再生譚 甦るジェンダー・パニック
4 バビロン・シスターズ 女性遊歩者のニューヨーク
5 ハイブリッド・ロマンス チャイルド、トウェイン、チェイス=リボウの異種の起原
6 アフリカの蒼い丘 チャイルド、ハーパー、ボウルズのアフリカン・ナラティヴ
7 アメリカン・ロマンスの岸辺で 異装のオリエンタリズム
あとがき
参考文献
索引

掲載情報

■『読売新聞』2003年2月7日(金)夕刊「新鋭気鋭」欄で著者・大串尚代さんが取り上げられました

1980年代後半からアメリカで注目され始めた19世紀の小説家リディア・マリア・チャイルドを研究の中心に据えてきた。反奴隷運動家としての知名度の方が高く、作家として研究対象に選び、本格的に取り組んだのは日本の学術界では初めてだ。

 

■『信濃毎日新聞』2003年2月11日(火)「人物点描」欄で著者・大串尚代さんが取り上げられました

「黒人のような異人種、エキゾチックなものに強くひかれながらも、異種を恐れる。そのバランスをどう取るかに揺れ続ける米社会への関心は尽きません」

1971年生まれ。現在は慶應大で助手を務める。米文学にかかわることになった遠因は、小学生のころ父に連れられて映画「ウエスト・サイド物語」を見たこと。(中略)「日本人である私から見れば、異種を恐れる白人も異種と位置付けられる黒人も、両方とも異なるもの。米国人自身ではすくい取れない彼らの無意識を読み取るのが、外国文学を研究する者の使命だと考えています」

 

■ 「英文学研究」2005年1月号に掲載されました

~本書を読んでの一番の思いは、文学研究のニュー・エイジ到来ということである。文学研究が苦吟めいたつらい修行や孤高の思索の結実めいたものである時代は終わった。捕囚と混淆という重いテーマにもかかわらず素敵な響きをもつ『ハイブリッド・ロマンス』は、細部にこだわるのではなく、扱う作品を論点に向けてまるごと把握し、登場人物の発する問題を常に論者の主体性と絡めながら考察し、なおかつアメリカ文学の高低様々な稜線を見晴るかしては頂上を確認し、昇るべき峰を定めしかるべき装備で走破していく新しい完成の研究所である。~同書評より (伊藤詔子氏)

著者紹介
  • 大串尚代

    1971年、滋賀県生まれ。慶應義塾大学 文学部 人文社会学科教授。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。専門分野はアメリカ女性文学、ジェンダー研究、フェミニズム、日本少女文化。著書に『ハイブリッド・ロマンス──アメリカ文学にみる捕囚と混淆の伝統』(松柏社)、『立ちどまらない少女たち──〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ』(松柏社)、『『ガラスの仮面』の舞台裏──連載40周年記念・秘蔵トーク集 』(分担執筆、中央公論新社)、訳書にフェリシア・ミラー・フランク 『機械仕掛けの歌姫──19世紀フランスにおける女性・声・人造性』(東洋書林)、ルイザ・メイ・オルコット『仮面の陰に──あるいは女の力』〈ルリユール叢書〉(幻戯書房)。

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