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『東京物語』と日本人

(著者)小野俊太郎

「わたくし、ズルいんです。」終盤の紀子の告解は、何を意味するのか? 世界の名監督たちが断トツでオールタイム・ベストに選んだ小津安二郎の『東京物語』。しかし、果たしてどれほどの日本人がこの作品を観て、また理解し得ているのか…… 映画『東京物語』論の展開とともに、戦後の「家族」、そして「日本」を読み解いた刺激的な日本人論。

四六判

321

2376円(税込)

978-4-7754-0221-4

2015年11月20日

   
    はじめに 世界が認めたから偉いのか
    第一章 尾道から上京する人々
    第二章 東京で待つ人々
    第三章 戦争の記憶と忘却
    第四章 紀子はどこの墓に入るのか
    第五章 『東京物語』の影の下で
    おわりに 外に開くものとして
    あとがき
    主要参考文献

■ 「信濃毎日新聞」2015年12月20日に掲載されました。

(中略)──本書はそのいずれの立場をもとらない。ただ日本人にしかわからない気遣いや戦時体験の痕跡など、演出に横たわるきわめて微妙な表現を丁寧に拾い上げ、日本文化のなかで理解しようとしている。例えば、登場人物の一人が江戸期の俳人、瓢水の句をウロ覚えで口にする場面を通し、監督は何を伝えようとしたのか。こうして日本人にしか体得できない文化を参照軸として、「東京物語」が読み解かれていく。
(四方田犬彦 評論家)

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