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グラディーヴァ ポンペイ空想物語/精神分析的解釈と表象分析の試み

(著者)ヴィルヘルム・イェンゼン

(訳)山本淳

フロイトによる精神分析的な解釈で一躍有名になった、ヴィルヘルム・イェンゼンの空想小説『グラディーヴァ』 初版本の新訳とともに、新たな表象分析の境地を探る! 本書は3部構成で、第1部が『グラディーヴァ ポンペイ空想物語』の新訳。 第2部の『グラディーヴァ』をめぐる書簡には新たに発見された作者宛てのフロイトの手紙三通が含まれ、ここにはじめて 作家との対話の全貌が姿を現す。他の関連書簡とあわせ、精神分析家たちの解釈の舞台裏を知るために不可欠な資料。 第3部の『グラディーヴァ』とフロイトは、フロイトに対抗して表象分析に何が出来るかを示したグラディーヴァ論であり、同時にフロイト論となっている。

四六判上製

290

2700円(税込)

978-4-7754-0206-1

2014年7月1日

   

■ 図書新聞2014年11月8日号に掲載されました

さて本書は三部構成で、第一部に当該小説、第二、第三部にそれぞれイェンゼンの『グラディーヴァ』をめぐる書簡の紹介、そして『妄想と夢』論に対する山本氏の批判的考察を置いている。まず書簡についてであるが、今回これまで未公開だった、3通のイェンゼン宛のフロイト書簡が本書に収められていることが特筆される。この3通は『グラディーヴァ』に対するフロイトの関心がどこにあるのかをより鮮明にしてくれるものであり、今後この分野の研究にとって必読文献の一つになるのではないか。
(中川佳英・富山県立大学教授)

■ 週間読書人2014年8月29日号に掲載されました

この書物はやや特殊な三部構成を取っており、核心部はフロイトの分析を批判的に検討した論考であろうが、これに加えて新しい読解にもとづいた小説の新訳と、『グラディーヴァ』をめぐって作者イェンゼンとフロイトが、あるいはその周囲の人々が交わした書簡を収めている(フロイトの書簡のうち何通かは日本でははじめての紹介)。フロイトの解釈に対して著者が申し立てている異議でもっとも重要なのは、小説の中心モチーフであるツォエ=グラディーヴァの特殊な歩き方が、おそらくダンスを習うことで身に着けた後天的なものであり、主人公ノルベルト・ハーノルトが幼いころ目にしていたツォエの歩き方の記憶ではありえないというものだ。これを明快な手さばきで証明したのち、著者の議論はフロイトによるノルベルトの夢の解釈へと及び、幼児性愛とその抑圧というフロイトの解釈を相対化していくことになる。
(鈴木雅雄 早稲田大学)

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