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ウィンドウ・ショッピング/映画とポストモダン  言語科学の冒険10

(著者)アン・フリードバーグ

(訳)井原 慶一郎/宗 洋/小林 朋子

パノラマ、ジオラマ、ショーウィンドウ、パサージュ、デパート、パッケージツアー、映画、ショッピングモール、テレビ&ビデオ、ヴァーチャルリアリティ・・・「移動性をもった仮想の視線」をめぐる視覚文化史をポストモダンの視座から読み解く。映画研究、メディア研究の必読書にして、文学・映画・建築・美術・哲学の領域を横断する学際的な文化研究!

A5判上製

315

3780円(税込)

978-4-7754-0151-4

2008年6月25日

   
    目次:
    序章 かえりみれば――「ポスト」という概念についての序
    ・過去、現在、仮想
    ・方法
    ・「P」ワード
    ・ロードマップ

    1 モダニティにおける移動性をもった仮想の視線――男性遊歩者/女性遊歩者
    ・モダニティと「一望監視」的な視線
    ・モダニティと「仮想」の視線
    ・ボードレール的観察者――遊歩者の「移動性」をもった視線
    ・観察者のジェンダー――女性遊歩者
    ・「移動性」をもった「仮想」の視線

    パサージュ 一
    ・エミール・ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』

    2 アーケードから映画へのパサージュ
    ・商品化された体験
    ・再/構築――公的な室内と私的な屋外
    ・移動性をもった視線――仮想へ
    ・アーケードから映画館へ

    パサージュ 二
    ・「安静療法」としての短編映画
    ・タイム・マシンとしての映画
    ・時を駆け抜けるウィンドウ・ショッピング

    3 モールの男性遊歩者/女性遊歩者
    ・モール
    ・時間性と映画の観客のありよう
    ・見ることによる遊歩
    ・サイバーテクノロジー――観察者から参加者へ
    ・ポストモダンな遊歩――時間を空間化すること

    パサージュ 三
    ・建築――未来を見つめつつ、過去をふり返りつつ

    4 モダニティの終焉――あなたの断裂はどこ?
    ・建築学的なモデル
    ・映画とモダニティ/モダニズム――厄介な第三の言葉としての「アヴァンギャルド」
    ・ジェイムソンと映画の「ポストモダン」
    ・映画とポストモダニティ
    ・言葉なきポストモダニティ

    結び 時間を消費する

    後記 ポストモダニティにおけるフェミニズムの運命
    ・ポストに対する警戒
    ・ポストフェミニズム?
    ・無関心を越えて
    ・どちらでもないか、両方か――多元性の時代へのエピローグ

    映画作品一覧
    訳者あとがき
    原注
    事項索引
    人名索引

■ 「UP」2009年2月号に掲載されました

やっと鶴首待望の邦訳の出た才媛アン・フリードバーグの『ウィンドウ・ショッピング』(中略)さすがに批評最前衛の国、秀才はいるものと素直に脱帽、悔しさ半分で愛読した。その名作の邦訳。
(高山宏 明治大学)

■ 「毎日新聞」2008年9月28日に掲載されました

全体に着実な研究であって、とくに資料の博捜ぶりには頭がさがる。パノラマ、ジオラマ、幻灯機といった視覚装置、またショッピング・モールのアメリカ的性格など、細部の観察と報告に教えられる点が多い。ポストモダンという流行語への反省も堅実であって、いまこそモダンの再検討が必要だという研究動機にも共感できる。
(山崎正和)

■ 「出版ニュース」2008年9月号に掲載されました

映画を見る行為とは何か。本書は、遊歩者による「移動性」(モビリティ)をもった視線とショーウィンドウを見る「仮想の視線」を結び、パサージュ、デパート、博覧会、ショッピングモール、テレビ&ビデオなどを例に、モダンからポストモダンへの変容を説いた学際的な文化論である。

■ 「週刊読書人」2008年8月22日に掲載されました

 (前略)本書の目論見はきわめて明快であり、 「移動性をもった仮想の視線」という喚起力のあるキーワードが全体の記述を貫いている。十九世紀後半には、一望監視的な視線とは対極的な「移動性をもった視線」-観察者=主体を移動させる視線-が登場した。これは、ボードレール/ベンヤミン的なパサージュの遊歩者に典型的にみられるだけでなく、トーマス・クックが組織した観光旅行や、ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』で鮮烈に描かれた女性の買い物客にも共通する視線である(ここで「 女性の遊歩者」の存在に注意が促されている)。他方で、十九世紀末には、パノラマとジオラマ、次いで写真術といった前-映画的装置群の提供する「仮 想の視線」の系譜がある。そして、映画の誕生は、両者の合流する地点に位置づけられるのだ。本書の前半では、この二つの視線の系譜を軸に、その他にも鉄とガラスの建築物や、万国博覧会や、遊園地といった十九世紀の広範な文化現象が分析されている。
 (中略)ポストモダニティを扱った後半部分には、今から振り返ると、やや些末にも思えるアカデミックな言説や用語の整理・註解に多くの紙幅が費やされており、原著刊行時にはDVDやインターネットがまだ登場していなかった点と合わせて、時代の制約を感じさせる。とはいえ、そのような限界も含めて、本書が映像メディア研究の必読書であることにかわりはない。アルベルティからマイクロソフトまでの絵画、建築、映画、TV、デジタル文化を縦横無尽に論じた彼女の近著『仮想の窓』(二〇〇六年)とともに、ぜひ手元に置いておきたい一冊である。
(堀 潤之=関西大学准教授)

■ 「キネマ旬報」7月下旬号に掲載されました

ショッピングモールとシネマコンプレックスに共通するものとは? 移動性について、そして想像上の仮想旅行=映画を見ることについて、時代ごとの変化を見ながら、これまでにない視点で論じている。

■ 「南日本新聞」2008年6月21日に掲載されました

本書は、アーケード商店街とデパート、映画館が組み合わされた街の中心商業地区(=モダニティ)が、郊外のショッピングモールとシネコン(=ポストモダニティ)に移行する状況について論じる。また、ポストモダニティにおける映画とテレビの役割にも言及。表象を通じた仮想の知覚体験が日常生活に入り込む過程と影響を分析している。
代表訳者の井原准教授は「モールは、アーケード、デパート、映画館、遊園地などの特性を統合したテーマパーク。一九八〇年代までにアメリカ各地で起こった歴史的道程(ショッピングモールの出現)が、本書で理論的に述べられており、それが鹿児島でも再現された」と話す。
鹿児島の現実に照らすと、天文館から映画館が消え、人の流れに変化が現れている。井原准教授は「ショッピングモールは回遊性を前提に設計されており、ある程度の集客は続くだろう」と指摘。一方、本書は同モールについて「地域色は必ずしも考慮されず、時間を超越している」などと分析する。これらの分析は「観光スポットを結んで回遊性を高めたり、地域に根ざした街づくりなど、天文館活性化のヒントになる」と、井原准教授は話している。

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