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日本人登場/西洋劇場で演じられた江戸の見世物

(著者)三原 文

江戸の嘉永から文久年間にかけて、軽業見世物は全盛期を迎えていたーー蜘舞の流れを汲み、寸分違わぬ正確さと細やかな技芸で魅せる日本の軽業は西洋の人々にどれほどの衝撃を与えたのか。西洋と東洋の演劇文化の衝突、融合、理解の跡を見ることができ、さらに日本芸能を再認識する、資料・図版も満載の希少な一冊。

四六判上製

384

3780円(税込)

978-4-7754-0149-1

2008年4月11日

   
    第一部
    第一章 ◎ 軽業師の倫敦興行
         -ロイヤル・ライシアム劇場、一八六八年-
    第二章 ◎ 合法と非合法のはざまで
         -鉄割一座のサンフランシスコ興行-
    第三章 ◎ 米国興行に賭けた芸能六座の動向
         -一八六七年を中心に-
    第四章 ◎ 早竹虎吉とそれに連なる芸人たち
         -虎吉は何人いたのか-

    ◎幕間◎肖像ギャラリー

    第二部
    第五章 ◎ 肖像写真に関する美学的考察
         -演劇図像学の研究に向けて-
    第六章 ◎ 早竹虎吉の最期
         -描かれた野辺送りと虎吉の肖像写真について-
    第七章 ◎ 日本音楽受容史事始 
         -下座音楽の受難-
    第八章 ◎ 領事フィッシャーの紐育裁判 
         -興行契約書の罠-
    第九章 ◎ ベネフィット興行に見る演劇的算盤勘定 その一
    第九章 ◎ ベネフィット興行に見る演劇的算盤勘定 その二

■ 「産経新聞」2008年6月2日に掲載されました

 幕末のいわゆる開国で、欧米人と日本人の交流がはじまったことは、よく知られていよう。西洋からは、日本へ多くの商人たちがくるようになった。そして、日本からはむこうへ、軽業の見世物を演じた芸能者たちがでかけている。彼らの妙技は、アメリカでもヨーロッパでも、喝采(かつさい)をうけた。彼地で、日本を強く印象づけてもいる。初期の民間外交をいろどるその立役者は彼らであったといってよい。そのためだろう。これまでにも、多くの著述家がこのテーマにいどんできた。宮岡謙二、安岡章太郎、倉田喜弘らが、軽業師の動向をさぐってきたのである。そして、今また、著者が新たな挑戦をこころみ、その成果を世に問うた。
 だが、軽業師の動きをおいかけるのは、大変むずかしい。とにかく、断片的にしか記録や資料は、残っていないのである。そのわずかな痕跡を、つきあわせつつ、著者は軽業師たちの足跡をつきとめようとする。ひねりだされる推論には、いちいち感心した。ふだんから、彼らのことを考えぬいているんだろうなと、脱帽する。
 研究水準の高さはうけあえるが、文章もまた味わいぶかい。もちろん日本語で書いているのだが、どことなく19世紀の英語風でもある。当時の英語記録と、とことんつきあったおかげで、そうなったのだろうか。英語のできる人には、その点でも読書の楽しみがふえるだろう。欧米で喜ばれた軽業だが、しかし囃子の音楽はいやがられたらしい。ドレミからはずれる日本の音が、雑音のように響いたのだという。そのため、日本の軽業は耳栓をして見にいけとも、評された。だが、なかにはそんな邦楽になじんでいった西洋人もいる。たとえば、クララ・ルイーズ・ケロッグ。ソプラノの歌手だが、邦楽のなかに旋律の妙味を聴きとった。そんな彼女と梅吉(リトル・オーライ)の出会いには、感動させられる。
(井上章一 国際日本文化研究センター教授)

■ 「日本経済新聞」2008年5月4日に掲載されました

じつは軽業師たちは、多くの欧米人にとって初めて出会う日本人であり、そこにはいわば「日本」なるものの発見があった。しかし、百四十年前後を経たいま、それは現代の日本人にとっても「日本」の発見といってよく、異文化と過去の歴史を鏡にして形象化される、リフレクシヴ(reflexive、再帰反射的)な日本像の面白さを本書に感じるのである。日本人と日本の芸能を再発見させてくれる出色の研究といえよう。
(川添裕=皇學館大学教授)

■ 「日刊ゲンダイ」2008年4月19日に掲載されました

細やかな技芸で海外の観客をも魅了した軽業師たちは、西洋人にとって「初めて出会う日本人」でもあった。彼らは、西洋と東洋の演劇文化のはざまで、称賛と誤解の両方を手にする。同業者同士の抜きつ抜かれつの競争や、興行契約書を巡る裁判など、波瀾万丈なエピソードも満載だ。当時の図版や写真なども豊富に掲載されており、資料的な価値も高い。

■ 「東京ブックナビ」に掲載されました

幕末から明治にかけて、海外に飛び出し、最も輝いていた日本人は、軽業や曲芸の芸人だった。『日本人登場』は、幕末日本人として初めて旅券を交付され、海外に渡航した四つの軽業一座の海外での足跡を、詳細な調査を重ね、克明に追いかけた書である。このテーマに関しては、安岡章太郎の小説『大世紀末サーカス』をはじめ、いろいろな研究書もあるのだが、この本はまさに真打ち、決定版である。安岡の小説で有名になった「浜碇一座」のマネージャー高野広八の欧米巡業日記を手がかりに著者はこの四つの一座の海外での足跡を、日本の資料だけでなく、アメリカに残る雑誌や新聞の劇評や記事を、執拗に調べ上げ、その足跡だけでなく、公演の様子までも見事に蘇らせる。
(大島幹雄 プロモーター)

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