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即興文学のつくり方

(著者)阿部 公彦

舞台芸術などに見え隠れする「即興」とは文学にも見て取れるのではないか。このテーマを中心に据えながら、小島信夫の『うるわしき日々』、C・トムリンソンと大岡信の間で交わされた連詩、T・S・エリオットの『荒地』、蓮實重彦と村上春樹の文体等を扱う。

四六判上製

245

2592円(税込)

4-7754-0062-2

2004年刊

   
    序章 即興と、そうではないもの
        ◎即興型と蓄積型
        ◎漱石の笑い
        ◎八百屋の英語教育
    第一章 即興の二十一世紀
        不可視なる野球、ジャンプする小島信夫
    ◎ ふたつの見えない足
    ◎ 不可視なるスポーツ、野球
    ◎ 躍動する小島信夫の身体
    第二章 共同する即興
        チャールズ・トムリンソン、連詩の順番をまちがえる!?
    ◎ 連詩とロマン主義
    ◎ 事件発生
    ◎ あいさつの方法
    ◎ 黄昏の系譜
    ◎ 連詩の虚と実
    第三章 世紀末 即興神話
        サロメとモダンダンスの曲線
    ◎ モダンダンスの即興神話
    ◎ 突然ダンサーになったロイ・フラー
    ◎ 『サロメ』が偶然書かれたわけ
    ◎ ワイルドとロマン主義
    ◎ 即興の巧妙なる罠
    第四章 即興という魔物
    ひとりになりたいエリオット
    ◎ なぜ『荒地』を書いたのは女ではなかったのか?
    ◎ 神経という真実
    ◎ うまくひとりになるための『四つの四重奏』
    第五章 七〇年代の即興
        村上春樹と蓮實重彦と「点(てん)」の問題
    ◎ 六〇年代VS七〇年代
    ◎ 村上春樹の「はい、終わり」の意味
    ◎ 蓮實重彦のニセ即興
    ◎ メランコリーの句読点
    第六章 即興とアメリカ
    イカルスを読むブリューゲルを読むオーデンとウィリアムズ
    ◎ 思わず呼吸するオーデン
    ◎ 眩しいウィリアムズ
    ◎ アメリカ的即興神話
    引用文献
    あとがき
    索引

■ 「アメリカ文学研究」2005年No.42号に掲載されました。

〜研究書にはつい重厚なものを求めたがる研究者の性質からすれば、本書は全体として散発的な印象を受けるかもしれないが,ここはむしろ著者の俊敏な精神の運動を愛でるべきだろう。その俊敏さに誘発されて、きっと読者はここに提示されているものよりも多くのことを夢想したくなるはずだ。(中略) 阿部公彦の『即興文学のつくり方』は、類書の存在しないところに、すべて自前で道具立てを揃えようとした勇気ある試みである。「何もない空間」に一つのフィギュアを描こうとしたその方向性は、大いに賞賛されていい。〜同書評より (若島 正 氏)

■ 「英語青年」2004年10月号に掲載されました。

〜問いに対して、微妙に巧妙に、はぐらかしながらも、答えていないというわけではない。逸脱しそうでそうはならない。即興を巡る議論を、まさに即興的に、強引に私たちを引き込むように進めている。即興について考えながら、対象の選択にも書き方にも即興的なところがあるのだ。(中略)大雑把な言い方になるが、この著者は、やはり英米文学的素養をもつ小島信夫や村上春樹がそうである程度には、西欧的高級さへのコンプレックスからふっきれている。そして、この国ではどこまで理解されているのかわからないロマン主義対20世紀の構図に対して、ゲームを仕掛ける余裕があるのだ。〜同書評より (福間 健二 氏)

■ 「出版ニュース」2004年8月号に掲載されました。

〜ミュージシャンの即興演奏、役者の即興演技というが、では即興文学、というものはあるのか。そこで、英米文学研究者である著者が文学ならではの即興性を探る。〜同書評より

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